近所の方から切り干し大根を頂きました。
これを戻して、ナムルにしたり、煮たりして頂きます。
天日に干され糖化され甘みが増して、栄養価も高くなり、その上保存も効きます。
作物が乏しくなってくるこうした冬の時期は大変重宝されたでしょう。
もちろん普通の大根も水々しくて美味しいですがこうして、水分をあえて飛ばす
つまり「失うこと」でたくさんの特性が生まれています。
失うは=何かを得るということですね。
…我々は何かが減ったり、失ったりすることが不幸に繋がると思い込んでいますが
それは我々の認識だけの問題で、本来我々の存在するこの虚空(空っぽ)の世界では、
実は失うことも減ることも本来無いのです。
また、反対に得ることも増やすことで、喜びを感じますが、それも本来は無いのです。
ですが、そんな事は思いもしない我々は、増えては一喜一憂して、減ってはひどく落ち込むのです。
この上がり下がりが激しい生き方は、穏やかではありませんね。
ですから、この世は「空 くう」であるというこの世の真理をよりどころとすれば
心は安定するということです。
空っぽということですから、何も無いのです。
初めから無いから、失うことも無いし、得ることも無いのです。
そう考えれば、何か嫌な事があったり辛いことがあっても、いつかは収まっていくものだと
考えられて、少し心に余裕ができます。
反対に何かがうまく行ってても、これがいつまでも続く事は無いと、慢心を生むことが防げるのです。
我々の振りかかる災難の原因はこの慢心から招かれているのです。
正月ですので、初詣の際におみくじを引かれた方もたくさんいらっしゃられると思いますが
「大吉だから良くて、凶だから悪い」という認識の方が大半です。
しかし、「大吉だから大丈夫」という強い思い込みが実は災難を招く原因になったりします。
反対に、凶だから気をつけようと慎重になった結果、無事に暮らせて幸福を招くこと
要因になることもあります。
確かに大吉を引くことは嬉しいし、幸先いいですし、反対に凶は何となく嫌ですが
この世は虚空であるとよりどころがあれば、大吉だから大丈夫という思い込みをせずに
「嬉しいけど気をつけよう」と心の点検ができ、反対に凶でも「何か幸先悪いけど、気を
つけて過ごそうと」同じく心の点検ができるのです。
結局おみくじの功徳は、吉凶を引き当てるのではなくて、この自身を内省することにあると思うのです。
従いまして、何かを失うことは=得ることでもあり、得ることで失っているものも有るということで
何も増えても減ってもいないということなのです。
ですから、無いから不幸、減ったから不幸という思い込みは非常に偏っているのです。
そうではなく、無いから何かが有る、減ったら何かが増えるので、それを感謝して
楽しめることが大切ですね。
いずれにしても、切り干し大根美味しく、栄養もありますからぜひ食してくださいね。