住職の日記

一つの事に集中して取り組むと…

一つの事に集中して取り組むと…

アジサイの時期はとことんアジサイを楽しみたいと思います。

当たり前ですが真冬にアジサイは楽しめません、この時期しか楽しめません。

そして、今年咲いた花とは今年しか眺めることが出来ませんので、しっかりと眺めたいと思います。

そう思うと、尊いひと時を過ごしているんだなぁと思います。

さて、我々が幸せに生きる為には、自分を客観視できるかどうかです。

それはつまり自分への執着から離れる事が出来るかどうかです。

そして、それはいざという時に出来なければなりません。

その為には、その特訓をしなければなりません。

では、どのようにして自我を離れることが出来るのか?

仏教には「一行三昧」という言葉があり、一つの事に集中して取り組むことです。

例えば、「写経」ありますよね?

写経はお経を一字ずつ写す、仏道修行です。

それを一生懸命行う事により、普段の生活の事や、自分への執着が離れる事が出来ます。

一瞬でも離れる事が大切で、そうすると「あっ俺こだわりすぎてた」「何て恥ずかしい姿だろう」と

自分を客観的に見ることが出来ます。

そうすると冷静さを取り戻せて、心の穏やかさを取り戻すことが出来ます。

「写経なんて毎日出来ない」と思われるかもしれませんが、それは写経でなくてもいいのです。

普段の掃除でもいいし、料理でもいいし、ピアノでもいいし、手芸でも何でもいいです。

無心でコツコツと取り組む事は立派な仏道修行です。

無心で取り組む為には、見返りや意味を探さない事です。

それらの行動に目的を求めると、心が濁り、良い悪いではなく結果続きません。

ただ行動を楽しむ事で、自我を離れることが出来ます。

普段そうした特訓をすることにより、こだわりすぎて誰かと争うことや、無駄に悩む時間を回避できます。

無駄がない姿は洗練されていて、美しいです。

という事で今はただアジサイを眺めましょう。

何の為に眺めるのか?なんて目的を探すなんて野暮です。

目的はただ眺めて楽しむだけです、それ以外ありません。

そうすることにより、心に隙間が生まれ、穏やかな生活が過ごせるのです。

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