空を悟る者は…
少し黄色味がかった白色のハナミズキの花もいいですね。
初夏の花はとても見ていてきもちがいいです。
さて、我々の苦しみの原因は何とっても自分への執着であります。
どうして、自分への執着が苦しみを生む原因となるのかというと
この世は空であるからです。
カラッポなのですから、本来私も、あなたも、無いのです。
しかし、そこに確固たる自分や他の存在が出来るのかというと、我々の認識がそうさせているのです。
よって、苦を取り除きたいと本気で思うのなら、まずこの世が空だと悟らなければならないのです。
で、空だと悟ってということは、自分も他人も一緒だということなのです。
その様に感じられれば、他人の事が自分の事に、なるので、
他へ利益を施すことに、何の躊躇がなくなるのです。
他人が喜ぶことは=自分の喜びなのですから。
「何が欲しい」「これが欲しい」と言えども、人は人のお役に立てることで
自身の存在が認識できると言います。
従って、空だと悟り、利他の行いを続ける事でそれは喜びに満ちた時間を過ごすことになるのです。
弘法様も空を悟るものは「苦を抜く 楽を与う」と申しております。
ただ、楽とは楽ちんという事ではなく、空の世界に浸り、他に利益を施す事で幸せを感じる
という意味なのです。
ただ、ぼーっとすることが楽ではないのです。
また自己の幸せの追求と言って、利己的であれば虚空の世界から分裂していきますので
苦しみが生じてしまうのです。
そうではなく虚空を悟り、他人のために自分ができる事をすれば、様々な苦厄を度す事が出来るのです。
苦はなくすものではなく、乗り越えて行くものなのです。