忘却との戦い
こんにちは。
今日も一日曇っていますね。
さて、我々が身を置くこの世界のもの全ては、実体がなく認識があるだけです。
よって、忘れられてしまえば、それまでという事です。
以前、毎回写経会に参加される方がお休みになられたので、何か用事があったのかなぁと思っていましたら
「先月写経の日忘れちゃった!」とおっしゃったのです。
近所の方ですので、当山の前の道を散歩されるのを度々見かけます。
当山の掲示板は納経所の前にしかありませんので、散歩でわざわざ確認に来ることもありません。
という事で山門の脇に、大工さんに言って掲示板を作っていただきました。
思っていたより大きい物です。
自分でいうのもなんですが、素晴らしい出来栄えです。
ここにA3の紙を6枚も張れます。
我々お寺で一番怖い事は、「人に忘れられる」ことです。
この山門に張り紙をすることにより、忘れられる可能性を、今までよりは大きく軽減されたはずです。
そして、お寺が何やっているとかも知ってもらえます。
我々お寺は忘却との戦いになります。
いくら歴史があろうと、美しい仏像があろうと、忘れ去られてしまえば、存在しなくなってしまうのです。
だからこそ、「伝える」という事を疎かにしてはならないのです。