住職の日記

幸せを感じ取る能力がないと…

幸せを感じ取る能力がないと…

るりまつりが咲き出しました。

これが咲くと本当に八月も終わりだなぁと感じます。

さて、この間二十四節気の「処暑」を迎えました。

処とは止まるという意味を持ち、暑さが収まったと言われるのです。

まだまだ日中暑いですが、それでも朝夕少し涼しくなり、秋の虫が鳴き徐々にですが確実に秋が来ております。

「小さな秋」というように、秋を感じ取るには謙虚な心が必要であります。

「日中こんなくそ暑いのに感じれるか」と思われるかもしれませんが、この小さな秋を感じれなければ

幸せにはなりにくいでしょう。

何故なら我々が幸せになるには、「知足」というすでに幸せなんだという自覚と、満足する能力が必要になるのです。

「こんなもので幸せになれるか」と言っている人は、永遠に欲望の渦から脱出できないでしょう。

欲望と言っても二種類あり、一つはカーマというものであり、これはトイレに行きたい、背中がかゆいなどと満たされれば収まるものです。

もう一つはトリシュナーと呼ばれるもので、これは満たされれば満たされるほど、増幅していく物であります。

簡単に言うと、「一億欲しい」と思う人がいて、いざ一億手に入れたら、次は二億欲しくなるのです。

満たされれば満たされるほど、欲望は増幅していき、満たされない苦しみによって、心が揺らぐのです。

その欲望も倍々ゲームで順調に行けばいいですが、心が穏やかでなければ言動がおろそかになり、いつかは破裂してしまうのです。

足るを知るという能力がなければ、いつかは破裂する運命なのです。

この時期、小さい秋を感じ取り、小さい幸せを見つける能力を養い、足るを知る事を実践してみましょう。

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