住職の日記

簡単で難しい

簡単で難しい

地豆の季節ですね。

塩ゆでが好きです、しかも、少し塩強めで。

最高ですね。

さて、仏教には「諸悪莫作 衆善奉行 自浄其意 是諸仏教」という、有名な言葉があります。

(しょあくまくさ しゅうぜんぶぎょう じじょうごい ぜしょぶっきょう)

これは、有名な禅僧を訪ね、詩人の白楽天が「仏法とは何か?」という問いに、禅僧が答えた言葉です。

簡単に言うと、「悪いことをするな 善いことをしろ そうすれば心が清められる これが仏の教えだ」です。

それを聞いた白楽天がポカンとしてしまい、「それでは三歳児でもわかることではないですか」と言ったところ

その禅僧が「三歳児の子が口にすることが出来る事が 八十歳の老人にもできないんだ」と答えられたのです。

我々も、心を安らかにするためには、何すべきか本当は分かっているはずです。

しかし、知識を身につけ、実績や経験を積み、もちろんこれが悪いことではありませんが

謙虚さが足りなければ、おごりや妙なコダワリが生まれ、その行動が出来なくなっているのです。

三歳児にもわかることが、大人になればなるほど難しくなっていくのです。

従って、上の言葉の様に、簡単すぎて「?」となってしまいそうですが

シンプルに、善い行いを積み、心の洗濯することが必要となるのです。

ですが、これが実に難しい。

善い行いをしても、相手によっては良くとられない事もあります。

そうすると、善い行いをする意味が分からなくなってしまいます。

しかし、その時点で既に間違いで、何かの対価で善行をする事は、善いとか悪い
とかではなく続きません。

従って、「見返りを求めずその行動をする」という事を覚悟の上でしなければなりません。

「何ももらえないのに頑張れるか」と多くの方が、断念しそうですが、そこが第一関門です。

世の中で継続している物、または繁栄している物の共通点は、何かを得るという事以外の価値観を持っている物ばかりです。

そうした価値観を大切にすることにより、自浄作用が働き、謙虚になりいつの時代でも、様々な物を受け入れる事ができ豊かに生きれるのです。

道は険しいと思って歩むと、「報われない」「成就しない」と思い悩み佇む回数は減るでしょう。

正にこの世は修行道場ですね。

しかし、その頑張る姿こそ、我々の目標の即身成仏なのです。

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