住職の日記

毒は薬に 薬は毒に

毒は薬に 薬は毒に

甘茶紫陽花が境内の隅でひっそりと咲いていました。

こうした美しい紫陽花は実は「毒」も備えていているので

うっかり口に運んではいけません。

(そんな人滅多にいないだろうけど…)

こんな美しい紫陽花の花に毒性が潜んでいるなんて、意外です。

美しい物にはくれぐれも気をつけましょう…。

しかし、この甘茶紫陽花に限り「甘茶」というだけあって、葉を陽光にさらし発酵させることにより

有毒成分が消え、甘いお茶(薬)になるのです。

毒性を秘めている物も、陽光(仏の光)にかかれば「甘露の薬」となるのです。

ただ、濃すぎる甘茶は、これまた体に良くないので、気をつけなければなりません。

薬も摂取し過ぎると「毒」になるのですね。

毒でありながら薬であり、その薬も過度に摂取すれば毒になるのです。

つまり、全ての存在に善(薬)悪(毒)の素質が秘めていて、どちらか片っ方の

価値観に偏ってはいけないということでしょうか。

正にそのどっちにも偏らない「中道」こそ最良の妙薬となるのです。

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