住職の日記

忙しいのは大変結構ですが…

忙しいのは大変結構ですが…

お彼岸と言えば彼岸花。

今の時期、田んぼや土手に鮮やかに咲いてます。

この彼岸花は別名「曼珠沙華」といい、曼珠沙華とは天上界に咲く蓮華の花の事で

この花をみる者は、忽ちに心が清らかになると言われているそうです。

彼岸は暑さ寒さも和らぎ、皆が先祖の供養をし、更にこうした美しい花に囲まれるので、町中が穏やかな空気に包まれます。

さて、仕事をしていく上で「忙しい事」は大変結構な事です。

当たり前ですが、仕事が暇だったら生活はできませんから。

しかし、「忙しい」は心を亡くすとも申しまして、あまりにせかせか先の事ばかり考えていると

「心ここに在らず」という状態になります。

そうすると、実際に今会っている人に対して、どこか上の空。

何なら「さっさと用を済ませて帰れ」ぐらいに思っていることでしょう。

つまり、心のこもった供養(おもてなし)が出来ないのです。

そうすると、それなりに忙しいから、自分だけは満足するかもしれませんが

気付いたら「周りに人がいねーじゃん」なんて事が起きるのです。

少し季節はずれですが、土用の丑ってありますよね?

夏場の猛暑を乗り切るために、性のつくウナギを食すという習慣です。

うなぎ屋さんからみたら、沢山のお客さんが見えるので、繁盛期、かきいれどきであります。

しかし、あえてその土用の丑前後一週間くらいを店を閉めるお店もあるのです。

それは、普段来ないお客さんが来て、常連さんがこれなくなったり、いつものパフォーマンスが出来ず

サービスの質が落ちて「あんまり対応良くなかったね」と口コミされた日には、常連さんとの縁も薄れるし

その繁盛期にいくらか儲かっても、長い目で見たら、マイナスなのです。

洋服屋さんでも「夏場の大セール」「正月大セール」などセールは一切やらないってお店もあるぐらいです。

忙しくなって、サービスが落ち顧客、常連さんとの縁が薄れるのを避けているのです。

お店でもなんでも繁盛することは大切ですが、心まで忘れてしまってしまっては元も子もありません。

今は携帯電話で手軽に、今そこにいない人とつながることが出来ます。

それは、本当にすごい事ですし、どんどんするべきだと思います。

しかし、実際に会ったときにまで携帯に集中していると、どうなんでしょう。

そうした、コミニケーションツールは次に会うための手段に過ぎません。

忙しさ感けて、流行に流されて、心をどこかに失ってしまっては、勿体ないありません。

その為には心を今に置いて、生きる事が大切ですね。

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