住職の日記

忘れる事は大切ですが…

忘れる事は大切ですが…

こんにちは。

今日はいい天気ですね。

風がなく過ごしやすいです。

山茶花が咲き出しました。

山茶花が咲いたって事は、冬が来たって事ですね。

しかし、時の流れは早い。

最近つくづく感じます。

さて、「忘れる」って事は穏やかに生きて行く上で大切ですよね。

何時までも過去に起きたことを覚えていて、心の不穏を生んでいる様では

人生台無しです。

今のこの一瞬一瞬の積み重ねが、未来につながっていくのです。

過去、現在、未来を分け隔てして考えると、不具合が生じてしまいます。

では、どうして忘れられないかと言うと、我執が働くからです。

でも思い出してほしいのは、この世は無常であり、実体がありません。

という事は、「我」は本来存在しないのです。

存在しない物に執着するって事は、幻影を追い求めているようなものなのです。

そして、こうして我執が働いている人は、この世が無常だという事を忘れているのです。

ありもしない物に執着して忘れるべき事をいつまでも覚えていて、

逆に時間に限りがあり、我々は時間に立つにつれ確実に老病死に向かっている事も

得難い一生を得ているという事も、大切な事をさっさと忘れてしまっているのです。

これでは、本末顛倒ですよね?

ある意味、我執が働くって事は余裕がある人なんだなぁとも思います。

贅沢な時間運びと言えますね。

でも、そうした自分探しって、タモもって虫篭ぶら下げて、存在しない蝶々をおっているような感じですね。

それで本人が楽しいなら、別にいいですけど、周りの人は困り果ててしまいます。

忘れる事は大切ですが、大切な事(法)を忘れてしまうと、路頭に迷ってしまいます。

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