今日出先で、赤い実がたわわに実ったモチノキがありました。
一見千両に見えました。
こうした食べ物がなく夏時期、冬の時期、鳥は嬉しいでしょうね。
そして、こうして実が鮮やかな色をしているのは、実を鳥に食べてもらい
種を運んでもらい、子孫を繁栄をしてもらう為だそうです。
…時に密教の仏像の装飾をはじめ、壇や伽藍の荘厳は過剰と言われますが
そうした綺羅びやかな荘厳は、人の視覚を利用し衆生を仏道に導くためです。
人が惑わされるのは五感ですが、仏の道に誘うのも五感なのです。
…では反対に我々が五感に惑わされない為には、無いの中に真実が有ると悟ることです。
よく「自分の住んでいるところ田舎で何も無い」と言われる方がおられますが
まったく無い事は無いのです。
まぁ街に有るものと比べたら、無いものは多いかもしれませんが
美しい空気、自然豊かな景色、澄んだ水などなど都会には無いものばかりであります。
じゃぁ街に有るものがずっとあるのかというと、そうではありませんよね。
時代の流れによって、どんどん変わり続けているのです。
ですから、有るの中には無いのです。
「有るもの」に五感を奪われると、惑わされやすく、何かを失いやすいですが
「無い」世界で五感をフルに活用することによって、真実が浮かび上がって
初めて得ることができるのです。
そこで、感得した体験を活用すれば、有るものに囚われる事なく、不退の地(幸せの世界)に
安住できるということですね。
まぁそうはいっても、惑わされるのが人ですが、「無い」から不幸、「有る」から幸せという
事は無いということは念頭に置いときたいですね。