純粋な気持ちを頼りに
つばめが帰ってきてくれました。
つばめは、遠い南の国から、太陽を頼りに昼間の間に
フィリピン→台湾→沖縄→鹿児島→そして生まれ育った地へ帰っていくそうです。
そして、そこでまた卵を産んで帰っていくのです。
さて、里と申しますと我々人間にもそれぞれに生まれ育った故郷は存在しますが、
もっと突き詰めていくと人間はもちろんのことすべての生命の故郷は一緒であります。
その古里と申しますのが、阿字の古里(仏の世界)でございます。
我々はその阿字の古里より出てきて、またその世界に戻っていくのです。
そうです、我々は阿字の子(仏の子)なのです。
仏の子ですからDNAは確実に備わっているので、あとはそれに気づき
その種を発芽させ育成させることが目標となるのです。
しかし、我々は生きているうちに心が煩悩によって汚され、本来備わっ得いるはずの種に
気づかなくなってしまうのです。
そこで、大切になるのが求道心であります。
何かの道を求める意欲があれば、その埋もれている種の在処にたどり着く事が出来るのです。
そうすれば、それまでの煩悩も浄化され、むしろエネルギーとなるのです。
ただ、その求道は純粋なものでなければありません。
行動動機が、その行動を行うためのものでなければなりません。
つまり、好きでなければならないのです。
そんなこと無いよと思われるかもしれませんが、生まれて今までで
無意識に何かやっていることありませんか?
それをかき集め、人に分かりやすく編集することによって、その周りの人が自身の求道
を補助してくれるのです。
つばめは元の巣に戻っていく際に山の地形などの記憶を頼りに戻ってくるそうです。
従って、仏になろうとするのなら、過去に遡り自分の好きなことは何だろうと
純粋に楽しめたものは何だろうと、探すことが大切になるのです。
お気づきですが、我々は何も亡くなってからしか里帰りが出来るのではなく
今生で帰命出来るのです。
里帰りをするのなら、過去の純粋な気持ちを頼りに戻って行きましょう。