無くせば広がる豊かな世界
こんな残暑が厳しい日はるりまつりの花で癒されますか。
さて、我々の苦しみの原因は「私」に対する執着であります。
これを自我というのですが、仏教を開かれたお釈迦様は、その執着を断つ事が大切だと説かれました。
確かに、人との繋がりで生きている我々は、その人との繋がりによって傷つくこともあるし、苦しむ事もあります。
だったら、その悩みの根本である、繋がりを断てばいいじゃんと、パッと思いつきますが、それでは豊かに生きて行く事は出来ません。
それは、人間は一人では生きていけないからです。
では、何が最善の解決方法なのか?それは先程申しました「自我」を無くす事であります。
自分と他人の間に自分で作っていたストッパーをはずす事によって、そこに真の穏やかな、そして豊かな世界が広がるのです。
そこは、自分も他人もない、全てを許し、繋がりあう境地なのです。
人間は、というよりも多くの生き物は群れる事により、安堵を得られると言います。
自我を無くし、「全てとつながり合っているんだ」という、安心感から
心が穏やかになり、慈しみの心が生まれ、ありとあらゆるものに、慈しみの眼が向けられるのです。
「互いに思いやれる世界」これは疑う余地のなく、弘法大師空海様が心から願っている「密厳仏国」の世界であります。
その世界を実現させるためには、まず自らストッパーを外して、世界を広げて行く事です。