住職の日記

渋みが甘みに

お歳暮に頂いた干し柿。

甘くて美味しいです。

断面からもわかるように、果肉がすごく甘いです。

これが天然の甘味というのは凄いです。

…この干し柿は、渋柿が干されたものです。

渋柿はその名のごとく、そのままでは渋くて食べれないのですが

天日にかざすことによって、その渋みがこうした甘みに変わり

美味しい渋柿になるのです。

じゃあ、甘柿を干せばより甘くなるのでは?ということで甘柿を干しても

この渋柿ほど糖度は高く無いのでここまでは甘くならないのです。

…短所は長所とはよく言ったものですね。

人を惑わす煩悩は一般的には「悪い物」とされているのですが、煩悩即菩提(ぼんのうそくぼだい)

と言う様に、同時に悟りを得る為には煩悩は必要になるのです。

蓮華も汚泥が無ければ咲かないように。

…ですから、弱点とか、欠点も我々が片方の価値観に囚われているだけで視点を変えると

長所になるかもしれません。

反対に、言えば長所も視点を変えると短所になるということですね。

我々は、「自分はこれができる」とその長所に慢心してしまうこともしばしばですが

そうした視点を忘れなければ、そうした慢心を防げるのではないでしょうか?

いずれにしても、内省の心が大切になりますね。

我々は忘れやすい生き物ですから、点検が必要となるのです。

正月は家族や親戚や懐かしい友人達と集まる楽しい時ですが、「一年の計りは元旦にあり」

と言いますように、少しだけでもいいので内省して心を正すように心がけましょう。

失敗が無い人はいませんので、犯した失敗を反省できるか、どうかだけに思えます。

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