住職の日記

蓮を観て…

愛西市の方から、蓮の花をいただきました。

弘法様の言葉に「蓮を観じて自浄を知り 菓を見て心徳を覚る」

とあります。

我々の住む世界は欲に塗れた世界と言えますが、我々は本来

蓮の花の様に清らかな心を持っているのですが、それが欲によって

毒され、本来の姿を忘れてしまっているのです。

ですから、蓮の花を観て本来の清らかな花の様な心を思い起こすことが大切になるのです。

そして、蓮は「花果同時」と言いますように、花が開くと同時に果実がなります。

我々は生まれたと同時に、心に悟りを求める種、菩提心を宿しているのです。

この蓮の花を観て、本来の姿を思い起こし、心に宿している種を発芽させることが大切になるのです。

ですが、この世は欲に塗れた世界であり、自分は取り返しのつかないほど汚れてしまった…と

思われるかもしれませんが、蓮の花も汚泥が無ければ咲かないように

「煩悩即菩提 ぼんのうそくぼだい」と言うように実は毛嫌いされている煩悩は

悟りの心を求めるには必要不可欠なのです。

ですから、心にある種と泥、つまり煩悩を結わすことで

大きな美しい蓮の花を咲かすことができるということです。

これから蓮の花が見頃の季節だと思われますので

どうぞこの言葉を思い浮かべながら花(心)を観てください。

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