住職の日記

苦しみを取り除く方法は…

苦しみを取り除く方法は…

甘茶アジサイがひっそりと咲き出しました。

もうすぐ六月ですもんね。

これからは雨とアジサイというシチュレーションです。

新しい傘でも買おうかなぁ。

さて、自分への執着があることによって人間は苦しくなっていきます。

執着があると、自分と他の物を分け隔てし、見る物を善と悪と分け隔てし、時には争いごとをし、わざわざ自分で息苦しい、そして痩せこけた世界にしていくのです。

ですから、苦しみを取り除くには、自我をいかに離れるかによります。

仏様を拝む際に、最初は仏さんに対して我々が拝むのですが、一心に拝んでいく内に仏様の不思議な力が働きだして

いつの間にか仏様と我々のボーダーがなくなっていき、一体になっていくのです。

そこは、自分も他人もない全ては一体と感じる境地です。

一心に祈ることにより、自分への執着が離れることができ、全てを受け入れる事が出来、一体化になることができ、安心が得られその境地に至るのです。

「吊り橋効果」という言葉がありますが、これは男女が吊り橋などのドキドキするものを一緒に達成することにより、心が通い合い、仲が深まるというものです。

人は逆境や窮地に立たされたとき、「自分の流儀」とか「善悪」「かっこいい、かっこ悪い」といった自分へのこだわりはなくなります。

周りに人がいる場合は周りの人もその状態です。

こだわりがなくなることにより心がボーダーフリーの状態になり、心が自然に通い合うのです。

その窮地に遭遇するまでは、「俺だ」「私だ」と互いに、こだわりの剣で戦い合っていたのに

そうした困難に遭い、自分へのこだわりから離れ、乗り越えることにより、互いの良さを認め合う事が出来るのです。

よく「同じ釜の飯を食った仲間」とは気兼ねなく話すことが出来ると言いますが、これは厳しい時も楽しい時も共に味わい

自分のいい所も悪い所もさらけ出して、心が通ったからです。

その仲間といるときは、心が通い合い安心が得られるのです。

もちろん、この境地は吊り橋に行かなければ得ることが出来ないというものでなく、我々の普段の生活からでも得る事ができるのです。

幸いにも日本にはお寺がたくさんあり、自宅には仏壇があるので環境は非常に整っています。

仏様の前で、帰依をし謙虚さを身に着け、一心に祈り、与えられた事を懸命にこなす。

これを繰り返すことにより、自分への執着が離れ、我々は全て仏の世界の中に存在していて、姿形が違うだけで

全ては一体だと、感じ取ることが出来るのです。

そうすることにより、こだわりはなくなり受け入れることが出来て、自分の住む世界が仏の世界になるのです。

苦しいのは自分をこだわりの世界に閉じ込めているからです、行動し続け自分から解き放ちましょう。

いちばん上に戻る