経験が財産
昨日は冬至という事もあり柚子風呂です。
これで風邪ひかずに済みますね。
皆さんもどうかお気を付けください。
さて、よく「人の気持ちがわかる人になれ」と申しますが、これ自体は大切なことだと思いますが漠然としています。
私感ですが、人の気持ちがわかるには多くの経験が必要という事でしょうね。
悲しいとか悔しいとか失ったときの絶望感、または嬉しい、自分の信じて行った行為が人に認めてもらえた時の
喜びなど、多くの経験をし免疫を作ることにより、人の気持ちのわかる人間になるのでしょう。
いくら、「この水は冷たいぞ」と言っても「へー」とは思っても、それが一体どれくらい冷たいのかわかりません。
体解したことにはならないのです。
真言宗の中興の祖の興教大師覚鑁上人が、極楽往生(死後阿弥陀如来の西方浄土に往き生まれる)を
否定せず、それを真言宗の教えに引き合わせ、真言念仏という教えを提唱したのも
自身もその世情を見て、大変悲しい思いをされたのでしょう。
興教様の時代はちょうど、天皇貴族政治から武士への時代に移り変わる時代で
世の中は揺れ動き、また自然災害なので、世の中は飢饉、争い事、が起こり大変乱れていました。
またお寺の中でも争い事も起こるなのど、とても真言宗の開祖の弘法様の教えである
今生で仏に成る「即身成仏」は、ハードルが高く民衆はもちろん真摯な真言僧まだも悩ましてしまうのです。
そうした、荒れた時代に身を置く衆生の気持ちを興教様も十分に理解されていたので
柔軟な対応が出来、そして弘法様の教えを背負って次世代へと繋げていけたのです。
「若い内の苦労は買ってでもしろ」という言葉がありますが、正に真理沿った言葉ですね。
経験をたくさん積み、容量や成功体験、失敗談を積み上げておけば、将来の大きな財産になるのです。
何層にも重なった地層をかいくぐった水はろ過され超絶に美味い様に
失敗したとくよくよせず、成功したからこれで良しとせず、常に経験を積み重ねて行く事で
素晴らしい決断が瞬時にでき、その場に一番適した言葉や行動をとることが出来るのです。
従って、失敗を怖れず、くよくよせず、成功しても慢心せず
方便そのものを究竟としましょう。