住職の日記

空蝉発見

今年はじめて空蝉を発見しました。

この抜け殻がこの世界の様子を物語っているように思います。

…この世界は「空」と言います。

空は字のごとく空っぽということです。

こう聞くと、何を得てもさらさらと砂の様に砕けてしまうような思いで、

どこか虚無感に苛まれそうになります。

ですから、「好きな事」が大切になると思うのです。

どうせ、何かを得ても砂のようにさらさらと砕けてしまうのであれば

得ても得なくても続けられる行為、つまり「好きな事」が大切になるのです。

好きな事は無意識でもやりたくなるものです。

…仏教には煩悩即菩提という言葉がありますが

煩悩は一般的に悪いものとされていますが、決してそうではなく

方向を間違わなければ、悟りを得る為に必要な力になるのです。

その行為そのものに喜びを感じ究竟とすれば、この世に存在する尽くし合う仏の世界に

今生で冥合することができるのです。

この方便だけは、無常の鬼にも奪われることは無いのです。

そうすることで、この虚空の砂漠の世界に花が浮かび上がるのです。

「色即是空 空即是色」

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