住職の日記

真理を受け入れたならば…

真理を受け入れたならば…

玄関先の百日紅が咲きだしました。

百日紅を見ると、しみじみ夏だなぁと感じます。

暑いのでどうかお体ご自愛ください。

さて、大無量寿経というお経の中に「独生独死独去独来」という言葉があります。

人間は、生まれてくるのも独り、死ぬのも独り、独り去り、独り来るという意味です。

これは真理です。

自分と全く同じ考え、気持ちの人っていますか?

「いるよ」とお答えしている人は、おそらく勘違いしているだけです。

人は一人として、自分と全く同じ思想を持っている人はいません。

誰もがそれぞれ自分の思い、夢を持っているのです。

したがって、「こいつらは俺と一緒だから安心だ」と思い出したら、危険信号です。

恐らく今は事情があってそうしているだけで、時が来たら、自分の道を歩みだします。

自分の夢に付き合ってくれる人はそうそういません。

したがって、誰かを頼りにしたり、任せっぱなしにしたり、逆に自分の思想を押し付けようとすると、

真理に反しているので、この世で路頭に迷う事は間違いありません。

自分の足元は自分で照らすのがこの世で生きて行く上では大切になるのです。

「寂しいね」と思いになると思いますが、それがまた大事になるのです。

同行二人」という言葉がありますが、これは真言宗の宗祖弘法大師空海様が我々衆生に寄り添って歩んでくださるという意味です。

先程申しました通り、この世で生きて行くのも死んでいくのも、独りであり、これはこの世の真理であります。

しかし、その真実を全ての人が受け入れるか?と言えば殆どの人が中々受け入れらないと思います。

そこで、弘法様が我々のそばにいて、暗闇の中必死に自分の道を歩む我々衆生を傍で暖かく見守っててくださるのです。

人にやさしく出来る人とは、孤独やその苦しみを知っている人です。

つまり、この世の真理を知った人とも言えましょう。

他の存在をお互いに認め合い、争いのない豊かな世界にしたいのなら、まずこの世の「独生独死独去独来」を体で知る事です。

その苦しみを体で知れば、他を認める事が出来、本当の意味で人に優しくできるのです。

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