住職の日記

真の幸福はどこか遠くに存在しているのではなくて…

真の幸福はどこか遠くに存在しているのではなくて…

台風が過ぎさった後は憎らしいほど空が美しいです。

台風の後は気温が上がると言われていますが、今日はうなるような暑さになりました。

梅雨まで晴れて、いよいよ本格的な夏到来ですかね?

さて、台風を何とかすり抜ける事が出来ました。

いつも思うのは「無事」が何よりの幸福なんだと気付かされます。

我々は時に何か特別な事がないと幸せになれないという、考え方に陥りやすいですが

本当の幸福は何事もなく皆が穏やかに過ごせることであります。

しかし、生きていると煩悩によって心が汚され、普段の何気ない光景が当たり前に思えてきてしまい、

他に幸福の世界を妄想で作り出し、次第に自分の欲がなすがままに行動してしまいます。

そして、気付いた時には……。という具合です。

仏教には「無事是貴人」という言葉があります。

我々が生まれてくる際に仏様からそれぞれ特性を頂いております。

特性は自分の中に秘められているわけで、他の場所で探しても見つかりません。

よそ見をせず、自分自身に備わっている特性を把握し、それをしっかりと磨き続ける人を貴人というのです。

その為には、こだわらず今の自分を受け入れる事です。

紛らわしても、何しても、受け入れない以上解決しません。

善い事も悪いことも、あるがまま、そっくりそのまま受け入れましょう。

大切な事はどこか遠くに存在しているのではなく、自分自身、そして普段の生活の中に本当に大切にしなければならないものがあるのです。

それを忘れない様に工夫することが、我々の目標ですね。

正に忘却との戦いです。

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