住職の日記

煩悩は見方によって…

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落ち葉の季節です。

どんどん、葉が落ちていき、寂しくなっていきます。

我々の住む世界は常に変わり続けているんだなぁと改めて感じます。

こうした世界を目の当たりにすると、何となく「何やっても無駄」と虚無感に

苛まれそうですが、それではただ無常の鬼にいじめられて、生涯を遂げてしまいます。

この世はそんな苦海でもあるのですから。

…じゃあそんな虚しい世界で我々は何するのか?

それは「好きなこと」でしょう。

時間の許す限り好きなことしてればいいのです。

好きな事を究竟として、苦海を渡るということです。

苦は無くなる事はありませんが、好きなことに夢中になっている間は

生老病死の苦を感じずそれらの苦を超えるということです。

それくらい夢中になるのは好きな事でしかありえません。

つまり、「煩悩即菩提 ぼんのうそくぼだい」ということでしょう。

我々は欲を持った人間です。

そして、その煩悩によって我々は悩まされることにもなりますが、その煩悩があるからこそ

菩提心(悟りを求める心)が生まれるのも事実であります。

煩悩を無くそうという無理難題を求めるのではなく、我々の心のあり方を変えるだけで

煩悩は素晴らしいエネルギーとなるのです。

この無常の世界では、理不尽な鬼ごっこが行われていて、我々は強制的に参加している

状態です。

そんな不毛な戦いから抜ける手段が、「好きな事で苦を度す」だと思うのです。

その為には燃料が必要で、一番手っ取り早いそれが煩悩なのです。

何て言っても我々に与えられた時間は限られているので

「好きな事で突き抜ける」事が手っ取り早いのではないでしょうか?

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