住職の日記

無常の風にさらされると、生み出される

無常の風にさらされると、生み出される

切り干し大根のナムルです。

歯ごたえがよく、ごま油の香りがよくて、いくらでもいけます。

塩を少し強めに効かせるのがポイントです。

切り干し大根は日本の古来から伝わるインスタント食品です。

大根は太陽に干すことにより、生の大根にはない栄養素が生み出されます。

さて、こうして切り干し大根の様に何かを失えば何かが生み出されます。

この世は無常の世で、全てに実体がありません。

だからこそ、美しい花が創造されるのと同じです。

では「有る」から入る場合はあまりよくないのかと言うと、私感ですがあまり良くないと思います。

出来るとか、有るとかから入ると、ありもしない物を拠り所としてしまい

慢心が生まれ、不具合が生じやすいのです。

「無い」から生まれる物は、無常のフィルターを通り受けて生まれたものですので

本物だと思います。

切り干し大根を見てください、陽光にさらされて、水分が飛びからからになったところに

独特の歯ごたえと甘味と栄養素が生まれるのです。

最初から独特の甘みや歯ごたえなんて無いのですから、有るから入るのなんて無理でしょ。

従って、無常を観念すれば自分に何が出来るのか、今何すべきかと言うその人に与えられた特性が

切り干し大根の様に沸々と生み出されるのです。

本来無い物にしがみつくのではなく、無常の風にさらされ、甘味や独特の歯ごたえや栄養素を出しましょう。

いちばん上に戻る