住職の日記

無いに糸口が

萩の枝をバッサリ払いました。

これによって来年花付きが良くなりたくさん咲かせてくれます。

…減ると増える、無くすと得る、死を意識すると生が得られる。

その反対は、増やそうと思うと減っていく、得ようとすると無くし、

死を遠ざけようとすると生がボヤケる。

後者は迷いの人の生き方ですね。

「転倒 てんどう」と言って、心の迷いによってすべてが逆さまに見えている状態です。

有るの中に真実は無く、無いの中に真実は有るのです。

…「じゃあ物やお金に意味は無い」と言って必要以上に減らしてもこれも

穏やかに暮らしていけません。

ですが、先ほど申しましたようにその物やお金の中に真実は無いのです。

ですから自分の道を覚る事が大切になるのです。

そうすれば、自分が生きていく上で必要なものがわかり、それを満たされれば足りるのです。

それに気づかず、物やお金に目的がある場合は、いくらでも足りません。際限なしです。

それでは生きている内に本当の穏やかな時を感じることができず、せっかくの光を感じること無く

生涯を終えてしまいます。

それで、自分の道は何か?そして、どれだけのものがあれば足りるのか?

それは残念ながら、「自分」しか知りません。

ですが、その「自分」がどうしてこうして存在しているのか?

という視点から入ると見つかりやすいかもしれません。

つまり、本来確固たる自分という存在すら無いという、点から考えるのです。

そうすれば様々な施しを得て成り立っている自分を見つけることができると思いますが

それを見ればすべきことはたくさん浮かび上がるはずです。

それが、迷いの世界から脱出する糸口なのです。

恐れず、自分を無くして、本当の自分を見つけましょう。

いちばん上に戻る