住職の日記

本当の繁栄

菩提樹の花が綺麗に咲いてます。

こうしたムシムシ暑い日に、黄色い花が鮮やかでいいですね。

ですが、近づいてみますと菩提樹の花の周りは蜂がたくさん集っています。

花は蜜を蜂に与え、反対に蜂は花粉を遠くに運び繁栄の手助けをしていきます。

…誰かの喜びが、誰かの不幸になると言いますが

それは菩薩行に反します。

こうした、蜂と花の関係のように、本来互いに増益していかなければなりません。

今は豊かな時代と言いますが、我々人間の利益だけ追求し、他の生き物に

配慮がかけているように思いますし、その人間の中でも格差などが広がり

本当の豊かさとはかけ離れているように思います。

心の豊かさとは言うまでも皆が幸せになることであります。

その為には、自分の喜びが誰かの喜びに、そして他人の喜びが自分の喜びに

なることが理想ですね。

これから選挙で、「経済」というキーワードがよく目につきますが

経済の意味は「経世済民 けいせいさいみん」であり、「世をおさめ、民を救う」であります。

真言宗の教えにこれに似た「済世利人さいせいりにん」という物があります。

世の中を救い 他の人に利益を施すという意味であります。

自分の利益だけを追求して、他は何か全く構わんよという、思想では衰退の一途を辿ることでしょう。

こうした時代だからこそ、利他の精神が大切ですね。

そして、利他がそのまま自分の利益になることが理想ですね。

ですが、無理なこと、できないことはできませんから、できることからコツコツと

行っていきたいですね。

蜂と花との関係をみて、本当の繁栄はこんな感じなんだろうなと思いました。

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