住職の日記

本当の安心や安全は…

本当の安心や安全は…

休憩所のツバメの巣にも新しいツバメが入りました。

無事に孵って欲しいです。

「新しい試みがうまくいくことは半分もない。でもやらないと、自分の世界が固まってしまう。」

<将棋棋士 羽生善治>

言うまでもありませんが、この世は無常です。

常に状況は変わっていき、止まることはありません。

したがって、止まるという行為は、真理に反していているので、自他との間にズレが生じ不具合が生じるのです。

残酷なのは無常と言うものを知らないと、当人は全く自覚がありませんから、そのズレによって生じた不具合を

「時代」や「周りの人」のせいにしたりひどい時は他を否定しだしたりと、醜態をさらすことになります。

では、無常の世についてくためには、常に新しい物を取り入れる事が大切になります。

もちろん古い物を否定するのでも、なくすことでもありません、古い物を守るために新しい物を取り入れるのです。

そうすることにより、新旧力を合わせて、素晴らしい物や組織になるのです。

その為には無常を自覚しなければなりません。

私たちは何かを築き上げたり、こんなもんだろうと決めつけたりして、安定、安心を目指しますが

それは本当の安心、安定ではありません。

カチカチに固まっている物は、一見強そうに見えますが、無常の世では真理に反しているので、ボキッといきやすいのです。

当山の庫裏は築百年以上経っていますが、見た目は古いですが、瓦屋さん曰く、一番地震には耐えられるそうです。

それはなぜか、柱が石の上に乗っかっているだけなので、地震の揺れに合わせて、建物も揺れるのです。

したがって、揺れはすごいですが、建物は壊れにくいのです。

真の安心、安定は無常の世を受け入れ、そして自分も行動し続ける事によって得られるのです。

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