住職の日記

春は色々学べる季節

春は色々学べる季節

寒緋桜の蕾がだんだん膨らんできました。

この寒緋桜実は緋寒桜という名が正しいのですが、彼岸桜と混合されやすいという事で、寒緋桜とひっくり返して、呼ぶそうになったとのことです。

また、この寒緋桜の花は、全開に開かないのも特徴です。

花が楽しみであります。

さて、一口に「桜」と言っても、境内にあるだけでも、ソメイヨシノ、カンヒサクラ、四季桜、八重桜などいろいろあるのです。

ですが、それぞれ特徴があり、いい所が違います。

一番わかりやすい例では、「四季桜」と「ソメイヨシノ」との比較です。

四季桜は大体九月の初めから、大体ソメイヨシノが咲く直前まで咲きます。

花は約半年間チラチラと咲きますが、ソメイヨシノのような華やかさはありません。

ソメイヨシノは四季桜が終わると咲き出しまして、それはそれは華やかな花が咲きます。

しかし、花がつくのはほんの数日です。

ほんの一瞬のあざやかな儚い命です。

同じ桜でも、こんなに違うのですから、我々人間が違って当然ではないでしょうか。

人の幸福を羨んだり、また自分の価値観を押し付けて支配しようとしたりしてないでしょうか?

違いを認め、それぞれの花を楽しめばいいのです。

これから、春になり様々な花が開花します。

でも、どの花も、他の花への嫉妬は一切ありません。

自分は儚い命だと悟っているのでしょう。

嫉妬なんかしている暇がありません。

私たち人間も、花に比べたら長いですが、いつかは花同様に必ず散っていきます。

今自分がやるべきことは何なのか?

他人と比べ苛立つことが重要なのか、過去の失敗にとらわれいじける事が重要なのか、未来を悲観して止まる事が重要なのか?

そう考えると今自分がやるべき事は何か、おのずと分かってくるものです。

「今を生きる」とはそういう事なのではないでしょうか?

そして、「今を生きる」を実践しますと「美しく今を生きる」に変わります。

今を精一杯生きる人は、嫉妬などくだらない事に付き合いませんから、花同様に美しいのです。

そして、その姿は疑いの余地なく、仏様なのです。

春は楽しい時期ですが、色々学べる季節でもあります。

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