住職の日記

得難い一生を…

得難い一生を…

朝からカメが元気に歩いてます。

境内に何匹いるのかなぁ?

さて、今我々はすごく恵まれている。

それは、人間として生まれたこととこんな豊かな時代に生まれたこともです。

しかし、我々は常識や固定観念による「とらわれ」によって、真実の姿を曇らしてしまうのです。

それでは、これだけ豊かな時代そして、日本に生まれたのに、勿体ないです。

幸せの光に「もうすでに」照らされているのに、心の曇りによって、自ら遮断しているのです。

弘法大師空海様の言葉に「即ち三大劫を経ずして、一生に成仏をすることを得てん」とあります。

無限の時間を費やさなくても、この世で仏になることが出来るという意味であります。

当時の奈良仏教会では三劫成仏(無限の時間をかけても凡夫は成仏できない)という思想が蔓延んし

我々衆生と仏教の隔たりが大きくなっていたそうです。

それを見かねて、弘法様が今生で仏になれるという即身成仏を掲げたのです。

その為には、我々が誰しも持っている菩提心(悟りを求める心)を起こし、言葉、行動、心を仏様の様にすることに徹することが大切になります。

このブログのタイトルの「この得難い一生」の通り我々は、得難い一生を手にしているのです。

だったら、常識や固定観念に惑わされず、自分はすでに幸福なんだと感じ取り、心穏やかに生きて行き行く

事の方がいいのではないでしょうか?

「これはダメ」「あれはダメ」と不満ばかり口にしてもどうにもなりません。

勿論何事も是正していくは大切です。

しかし、その間不満を感じ、イライラしていたら、何かを改善したとしても、永久に満足することはないでしょう。

したがって、「もっともっと」と心が満たされず、穏やかになることはありません。

我々の目標はこの世で幸せになることであります。

それは、「いつか」とかでは無く、「今すぐ」にでも可能なのです。

つまり「幸せになる」という言い方は、間違っていて、「既に(特にこの時代、この日本においては)十分に幸せなんだ」と感じとることが大切になるのです。

今日という日は二度と帰って来ませんし、確かに問題は色々あるかと思いますが、仏様の慈悲の光には確実に照らされている事は忘れてはなりません。

そして、命は有限という事も。

この得難い一生なんだから、弘法様のお言葉を信じ、自心を荘厳し仏の振る舞いをして、常識や情報に惑わされず

自他共に「今すぐ」幸せになりましょう。

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