住職の日記

夜道は気をつけろ

夜道は気をつけろ

紫陽花とかたつむり。

今梅雨か?と忘れてしまいそうな5月のような陽気ですね。

風が通り過ごしやすい日です。

さてさて、今我々の周りには暴風のように情報があちこち吹き荒れています。

どれもこれも面白いし、すごいなぁと思う反面、殆ど「半分だな」と思うこともあります。

何が「半分」と言うと、「善」か「悪」かと偏った情報が多いと思います。

例えば、今の時期で言うと「暑いから水分を取れ」と言う情報がわんわん流れますが

その反面「水毒症」という症状が多いそうで、暑いからといって水分をガブガブとってしまい

胃腸の働きが悪くなり、目眩や頭痛を引き起こす要因になっているのです。

また、この時期冷たい飲み物が欲しくなってきますが、東洋医学では体を冷やすことは万病の元と言い

体の冷えは様々な病を引き起こすと言われているのです。

夏場に「何かだるい」といったものは、そうした過度の水分摂取やエアコンの冷えから来るそうです。

とは言え、エアコンや冷たい飲み物は手放せませんが、そうした部分もあると自覚が必要なのです。

つまり得られる情報が多くなっても、道を照らす明かり「智慧」がなければ穏やかに生活できないのです。

仏教には「燈下不截爪(とうかにつめをきらず)」という言葉があるのですが

暗い灯りの下で爪は切ってはいけないと言う意味です。

灯りとは「智慧」の事でその智慧が無い状態または少ないと、怪我をするという事です。

「夜爪を切ると親の死に目に会えない」と言いますが、もちろん昔は夜家の中は今のように明るくないから

怪我すると危ないということですが、「夜」とは智慧のない状態、「無明」を表しているのです。

何がどうなろうと、智慧がなければ、夜道を歩くようなもので大変危険なのです。

たとえ昼間でも、すべてが逆さまに見えている状態で、危険なのです。

もっと危険なのは、その状態が危険という自覚が無いことです。

親の死に目に会えないくらいくらいの、状況になって気づくか?

そうならない為にも「智慧」を身につけ足元を照らしましょう。

そうすれば極楽鳥の挑発に惑わされる事はなくなるのです。

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