住職の日記

夕日を眺めながら…

夕日を眺めながら…

この時期の夕暮れはとても綺麗です。

修行大師様が日が沈む西の空を眺めております。

この修行大師像が夕日を眺めている姿に、我々が豊かに生きるヒントがあるように思います。

お釈迦様は「過去を追うな」「未来を願うな」と仰られました。

我々は既に捨てた過去や、まだ来ていない未来に取りつかれ妄執によって苦しみが生じるのです。

では、その苦しみを渡るにどうしたらいいのか?

この夕日を覗く修行大師像を見れば一目瞭然ですね。

こんな美しい夕景色を眺めながらも、気を取られず修行しているのです。

つまり、今出来る事をするという事です。

我々は過去を悔いたり、未来に期待をして、一喜一憂します。

反対に過去を美化し、未来を悲観を(例 昔はよかったなぁ~)します。

しかし、肝心な「今」がすっぽり抜けているではありませんか。

その時その時、「今」出来る事を積み重ねて行く事が大切になるのです。

「やった」「やるつもり」は「今は」やっていないのです。

この修行大師を見て、未来や過去に囚われず、善悪に囚われず、生死に囚われず

生まれて来る際に自身に仏様より授けられた方便を究竟としたいものだと思った次第です。

何故なら、この無常の世では、楽の反対は苦が隠されていて、苦の反対は楽が隠されているのです。

そんな180度、自身の感情がひっくり返ってしまうのは、大変つらいですよね。

従って、この「方便究竟」こそが、そうした影響を受けない唯一の助け舟となるのです。

何か成功したから止める、結果が出なかったから止めると言う行為ではなく

成功しても、失敗しても続けていたい行いを見つけましょう。

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