住職の日記

匂い水仙の花が咲いてました

どこからか香りがするなぁと思いましたら

匂い水仙の花が咲いていました。

…今日からお彼岸であります。

お彼岸は正式には「到彼岸 とうひがん」という意味でありまして

悟りの世界へ至るという意味です。

そして、反対に彼岸と川を隔てて存在する悩める衆生(我々)がいる世界を

「此岸 しがん」といいます。

この此岸から彼岸へ自身の力で川を泳いで渡ることができる人はいいですが

全ての人がそうでありません。

ですから、自分で渡りきれた人は、向こう岸でやれやれと休むのではなく

すべての人が渡れるような大きな船をこしらえることが大切なんだと思います。

実は、彼岸へ渡ってもこの迷いの世界との往来は自由なのです。

そうした船を皆で力を出し合い作ることが大切なのです。

そして、その船とは実際には仏の教えに共感し集いし集団の事を

言うのだと思います。

つまり、みんなで協力していい街、国を作りましょうということでしょうね。

最近「共和」という言葉を耳にそして目にする事が多くなってきました。

自由経済、資本主義社会、と今まではリベラルな風潮が漂っていて

そうした価値観が立ち行かなくなっていて、限界が来ていて

次なる大切な価値観がそれなんだと思います。

…ある本に書いてあったのですが、宣教師のフロイスが紀州根来寺に来山した際

その根来の盆地に豪華絢爛な建物や僧侶だけで一万人近くいる様を見て

「大いなる共和国」と称したといわれています。

そして、仏教伝来前から、「共生 ともいき」と言う言葉も日本古来よりあるのです。

体質的には日本はあっているのは「共和」なんだと思います。

…暑さ寒さも彼岸までと申しますように、凍てつく寒さも和らいで

少しホッとする時期でございますが、この彼岸中しっかりと内省し

次なる一歩は何かを吟味したいところですね。

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