住職の日記

初心忘るべからず

初心忘るべからず

今朝、手水舎に氷柱が出来てました。

これだけ寒いと、何もかも美しく映えます。

凛と張りつめた空気が、全ての雑念が払います。

私たち人間も生まれた当初の心はこうした雑念のない状態です。

しかし、生きているうちに煩悩によって、心が汚され次第に言動が濁りだします。

次第に、不幸を招き自らを苦しめることになるのです。

そうならないためにも「初心忘るべからず」という言葉の通り、最初の志、新鮮な気持ちを忘れてはいけないのです。

こうして、寒さ極まる朝は正に初心を思い出すにはもってこいであります。

この研ぎ澄ますまされた冷気に身をさらすことにより、洗心されます。

つまり雑念が払われ、ひょっこり本来の清浄の心が顔を出すのです。

そうすることにより、自分の心の決して汚されない部分とつながり、心の穏やかさを取り戻せるのです。

そして、あと何より謙虚さです。

これぐらい寒さが極まると、人間の力のなさを改めて知ることが出来ます。

自然の前では、人間の知識や力なんてほんとにちっぽけなもので、人間の世界でどちらが優れているなどと争っていることなんて、本当にくだらない事なんだなぁと思います。

大自然の教えは、すなわち仏の教えです。

誰もが平等に、何にも遮ることなく、教えを得ることができるのです。

この冷気に身をさらし、雑念を払い、本来の清浄な心と、己の小ささを知り初心を思い出しましょう。

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