住職の日記

出来る事をしましょう

出来る事をしましょう

温かいぜんざい。

寒い日には、格別です。

さて、この世は善と悪が存在していて、それは全てに宿っています。

従って、どんなに善い事を含んでいる物事でも視点を変えれば、悪くもなるわけですし

一般的に不利だとされることも、視点を変えれば長所にもなりえるのです。

此処で、どちらに重点を置くかであります。

よくあるのは悪い所ばかり探す人です。

何をしても悪い所に目が行き、時にはそれをずけずけと口にする事もあります。

そういう人は、常に悪い事を検索するシステムが脳内に設置されているのです。

従って、常に悪い方向、悪い言葉、欠点に目が行き、それを受信しているのです。

そんな人が、人を楽しませたり、自他ともに幸せに導くとは思えません。

また、悪い所を指摘しあえば、そこに悪の空気が充満し、人は近寄りません。

どんなに頑張ってもいい所と悪い所があるので、だったらどうにもならない事をグチグチと言う前に

出来る事をキュキュッと磨くことの方が大切です。

真言宗の中興の祖、興教大師様の教えに一密成仏と言う教えがあります。

我々がこの世で仏に成るのには、言葉、行動、心の三つを整えなければなりません。

しかし、これをいっぺんにこなそうとすれば、ハードルは高く、真摯な人ほど悩んでしまうのです。

そこで、その三つの内どれか一つでも整えようと懸命に努力し、一つでも整えば

次第に他の二つも整っていくという事なのです。

そして忘れてはならないのは、時間に限りがある事です。

欠点ばかり探すことに躍起になって、自分に備わった個性を見つける事も無く

生涯を終える事は大変勿体ないのです。

従って、今できる事すべきことに集中して行えば、今生で仏に成ることが出来るのです。

例えば、元読売ジャイアンツの川相選手とかはそうですね。

犠打の名手です。

でも、犠打って、ホームランバッターや剛速球の投手の様に天性の才能ではないですよね。

努力で備わった能力ですよね。

でも、長きに渡り、ファンから愛され一流プレーヤーになりました。

「ホームラン打てない」「速い球投げれない」と嘆く前に、努力次第で出来る事を究竟とした

結果ですよね。

時間は有限です、だからこそ出来る事、すべきことを究竟としましょう。

その姿は既に仏なのです。

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