住職の日記

光と影

なんじゃもんじゃ

そして、ハナミズキの花が綺麗に咲いてます。

初夏の花はこうした新緑と混在し咲きます。

より花が引き立って見えますね。

…花を光と例えるとするなら、葉は影でしょうか。

これは我々が住む世界も同じですね。

特に資本主義の世界では、誰かの得は誰かの損になるのです。

確かに無視はできない世界観でありますが、しかし、仏教の世界では

誰か喜ぶことで誰かが悲しむのであれば、その行いは菩薩行に反します。

生きとし生ける物の命が輝くことを仏教は目標としていきます。

ですが、我々は生きていくということは、何かの命を奪うことであります。

ですから我々はその大きな矛盾の中に生きているので、その苦しみからは逃れたい気持ちがありますが、

それらからは目をそらしてはならないのです。

ですから、最少失点で切り抜けることが大切なのです。

例えば「不殺生」という戒律、完璧に守れる人はいません。

本当に守ってしまうと、自分の命が絶えてしまうからです。

ですが、だからといって命を奪って良いという理屈にはならないのです。

ですから、生きていく上で必要ではない殺生は極力しない事ことが大切になるのです。

そうして、少しでも業を減らす事が自他の為に大切になるのです。

一番の悪は、放棄と無自覚であります。

…我々がこうして、命が存在しているのは、そうした影の存在があるからです。

この光と影の存在が混在するのが密厳浄土であり、我々はその混沌とした世界で

花開かなければならないのです。

ですから、その事を忘れずに、糧となった生命の分まで我々はよく努め

他のために尽力できるようにしなければならないのです。

そして、たくさんの命が輝く世界にしていきたいですね。

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