住職の日記

信仰や、観賞用としての木だけでなく

こんばんは。

今日は一日いい天気でした。

明日はすごく寒くなるみたいですよ。

さて、当山には一本大きい黒松があるのですが、昔は地蔵寺の境内には本堂までの参道にズラーっと黒松が並び、境内のど真ん中にはお寺のシンボルツリーの大きな赤松が植わっていました。

地蔵寺だけでなくここ大草の海沿いにも、今もありますが黒松が沢山植わってます。

何故かというとここ大草は昔は半農半漁の村でこの海沿いに植わっている黒松が防風林の役割をしていて、この黒松は西から吹く風から家屋を守り、東から吹く風からは船を守る為に植えられたそうです。

昔はこうした自然は信仰の対象や、心が癒されると言う理由だけでなく、木々が我々を守る防風林だったり、私生活の燃料として生きる為に自然はどうしても必要だったのです。

日本人とって自然とは信仰の対象でもあり、生きる為の糧でもあったのですね。

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地蔵寺に残った松はこの黒松一本です。

後はすべて松喰い虫にやられて全滅してしまいました。

しかし、この黒松も実は腹が大分空洞になっていて、先は長くは無いそうです。

海に近いここ大草にとって美しくそびえたつ松は、心を癒すための観賞用の木としてだけでなく、防風林として我々と家と船を守る守護神としてのやくわりもあったのです。

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