住職の日記

何度も点検を

何度も点検を

こんばんは。

今日は本当に非の打ち所がない、いい陽気でした。

こうして、穏やかな時を過ごさせていただいて、私たち人間が本当に求めている物は何なのか?と考えた際に

それは、実はどこか遠くに存在しているのではなく、極めて近くに存在しているのではないのかと思いました。

人を蹴落としてまで手に入れるものは、価値があるのか?

今を犠牲にしてまで手に入れる物は本当に幸せなのか?

おそらく、それらを手に入れても、真の幸福とは別の物でしょう。

真の幸福は「今を穏やかに生きることである」ではないでしょうか?

そんな事当たり前だろうと言われそうですが、大事な事は当たり前になっているのです。

ですが人間は忘れやすい生き物で、心の欲望によってそれらの事実が覆い隠されてしまうのです。

「はっ!!」と気付いた時には、すでに失っていたりすることは良くあることですね。

私たちは勤行の際に「十善戒」というお経をお読みします。

「生き物を殺さない、物を盗まない……など」明らかに子供でもわかるようなことです。

いい大人が口に出して、それらを唱えている姿は一見滑稽に見えるかもしれませんが

こうして何回も口に出して唱えることによって、心に刷り込み、いざというときにブレーキを踏めることが出来ます。

仏道は忘却との戦いと言っても、過言ではないでしょう。

忘れるという事は、存在してないと一緒なのです。

つまりその状態は10トントラックがノーブレーキで走っているぐらい危険なのです。

忘れない為には、何度も点検を。

白梅が咲き出しました。

紅梅もいいですが、白もいいですね。

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