住職の日記

人類は古里に……

人類は古里に……

近所の方から来年の干支である羊のちりめんを頂きました。

とても可愛らしいですよね。

それにしても器用に作られますね。

さて、今は1000年に一度の大革命と言われています。

例えば、情報発信と言うと、昔は大企業や大きい組織しかその権限はなかったのですが

今は一個人でもそれも殆ど無料で発信が可能になったのです。

例えば人に知らせる為には、紙の手紙やチラシ、看板、TVCM等々そう言った媒体でなければなりませんでした。

それらの方法ではお金もかかりますし、紙などの資源もかかります。

しかし、今はSNSと言う物があり、人と人との繋がりの中に属する事で、その集合体の中で

自分と言う存在を確立させることにより、繋がり(口コミ)によって知れ渡っていくという物です。

人と触れ合いながら、尚且つ自分がどういう人か知ってもらえるなんて、素晴らしいとしか言いようがありません。

昔はコミュニティという物が存在し、大工の○○さん、魚屋の○○さん、クリーニングの○○さんなどと言った

コミニュティの関係性の中でそれぞれの仕事が確立されていたのです。

ですが今はそういったコミニュティという物が無くなりはしませんが、希薄な物になってしまいましたが

今やこうしてネット上でそう言った関係性が持てるという事です。

しかも、数も地域コミニュティとは比べ物にならないほど、そしてその勢いはマスをも凌駕すると言われています。

何度も申しますが、これらが一個人で行えるという事です。

当たり前ですが、人は縁が深い所で仕事を頼みます。

何故なら、安心だからです。

こうしたSNSをやると「個人情報が洩れ危険だ」という声もあるようですが

逆に言うと、どういう人かどんな思想を持っているか

自分の事を知ってもらえる事にも役立つのだと思います。

人は不安や恐怖は情報不足から生まれると言います。

皆さんも初めての人と接する際、「何でもドンと来い」と器の大きい人ならまだしも並の人なら

「どんな人なんだろう…?」と少なからず思うはずです。

従ってあらかじめ情報を発信しておくことは、不安を取り除いてあげる事にもなるのです。

そして、今まで10年かけて築き上げれた関係性を今や、その何分の一に短縮できるのです。

それぐらい今はすごい時代なのです。

平安時代、弘法様が密教を日本にもたらし今生で仏になれると即身成仏を提唱されたと同じくらいの

変革期に来ているのだと思います。

それまで、奈良仏教会では三劫成仏(我々衆生は何回も何回も生まれ変わっても凡夫には成仏できない)と

言う思想が蔓延していて衆生は大変苦しんでいました。

そこに弘法様が悩める我々の三妄(心の迷い)の雲を晴らすべく、密教の教えを広められたのです。

今生で誰でも仏(幸せ)になれるんだと、皆は大変喜んだのです。

こうしたインターネットの革命は産業革命などと言った「目」に見える物ではありません。

しかし、今はそれとは比べ物にならないほどの革命だと言われています。

それは、本来の姿に帰っていくからだと思います。

今までの革命は「物」でした。

それは大変素晴らしい事であり、感謝せねばなりません。

しかし、従来の産業革命は自然と人間を分断して考えてきた気がします。

人と自然を分けるという事は、確固たる自分を創造し自分と他を別々に考え、利益を追求する、

つまり「自分さえ良ければ何でもいい」とも考えれます。

ですが、今は互いを認め合い(フォローしあい)ネット上でとてつもない大きな集合体となって、現れています。

これは本来の姿に戻りつつあるなぁと感じます。

何故なら、本来はこの世は「空」で自分も他人もなく、全ての命は一体なのです。

その集合体の中で初めて自分の存在がまたは役割が見出されるのです。

我を無くし、集合体に帰属することにより、自分の存在を確立させる。

今世界の人類は本来の故郷(いのちの本源の仏の世界)に還りだしたのだと思いました。

これは動物が持っている、巣に帰ろうとする本能なのだと思います。

そこに理屈はいらないのです。

いちばん上に戻る