住職の日記

人との別れかた 名残惜しく

こんにちは。

今日は暑いですね。

でもたまに吹く風が気持ちがいいです。

さて、お盆のお供えでナスで作った牛ときゅうりで馬を作りますが、これはご先祖様が馬に乗って早く帰ってきてもらい、帰りは牛にのってゆっくりと帰ってもらうという意味があります。

皆さんも経験があると思いますがデパートなどでお買い物をすると店員さんがエレベーターまでお見送りに来てくれますよね?

旅館なんかも女将さんをはじめ従業員総勢でバスが見えなくなるまで手を振りますよね?

日本の本来の商売はお馴染みさんです。

目の前にいる人がまた来てもらうためには、いい商品やサービスをするのはもちろんですが、この別れ際がとても大切です。

店員さんがエレベーターが閉まる最中にくるりと振り返りスタスタとお店に戻ってしまったらエレベーターの中でお客さんは寂しい思いをしてしまいます。

どんなにいいサービスをしても別れ際が寂しくなってしまっては台無しです。

やっぱり見えなくなるまでお見送りしてもらうと嬉しいですよね。

またあのお店に行きたいなぁと思いますね。

私も昨日棚経でお檀家さんのお宅に行き帰る際、お見送りをしてもらい本当に嬉しかったです。

ご先祖様が元の世界に戻られる道中で寂しい思いをさせないためにもお盆の送りの際にはどうかゆっくりとお帰りください、そしてまた来年来てくださいと心に念じ名残惜しくお別れしましょう。

ナスで作った牛。

地域によってはヘタが尻尾の場合があるそうです。

このお供え一つにこれだけの思いやりの心が詰まっている。

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