住職の日記

三人の天使

ついこの前咲き出したと思った大城冠の花が早く先出し花から萎れてきました。

どんなに美しい花もいつかは萎れてしまう無常という世界は儚いものだと

改めて感じさせられます。

…仏教伝道協会から送られてきた仏教聖典に書いてあったですが、

生前人間の世界で悪い行いをした罪人が死後地獄へいき

そこにいた閻魔大王は罪人に「お前は三人の天使に出会わなかったのか?」と質問したのです。

その三人の天使とは、一人は年老いて、自分の思うままに動けなくなってしまった老人。

二人は病にかかり、同じく自分の思うままに動けなくなってしまった病人。

そして三人目は死んでいく人です。

「罪人はそれらの人は何人も会いました」と答えましたが、

閻魔は「お前はそれらの天使に会いながら自分もいつか自分もそうなると思わず

悪行を繰り返しここに来ることになったのだ」と答えたのです。

…我々は老病死の苦からは何人も免れることはできず、体はやがて朽ちていくのです。

そうわかっているのなら、行うことが有るはずですよね?

しかし、この老病死というものは同時に遠ざけたい事実であります。

ただ、仏教には「生死一如」という言葉があるように、生と死はワンセットで有るというのです。

その理由は死が有ることによって生を強く感じられるからです。

反対に死を遠ざけようとすればするほど、生がぼやけるといいます。

死が有ることで生が生まれると言っても過言ではありません。

自分の都合の良い様に解釈をして、真実を遠ざけても本当の幸せを感じる事はできず

迷いの世界からは抜け出せれません。

従って、こうした遠ざけたい事実ですがこれらから目をそらさず、今すべきことを

してコツコツと善行を積んでいきたいですね。

美しい大きい大城冠の花が萎れて思ったことはそんなことです。

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