住職の日記

サルスベリは…

百日紅の花が綺麗な時期です。

しかし、この百日紅「怠けの木」という異名を持っているのです。

と言うのは、他の木々に比べ、葉が付くのが遅く、花と開花と同時期にもう葉が散っていくことから

葉が付く期間が短いことで「怠け」と呼ばれるようになったそうです。

こんな感じに、もう葉が紅葉し落葉していきます。

サルスベリは中国の南部が原産地なので、気候の違いでこのようになったのかもしれませんね。

…「怠け」と言うと、何もしないでダラダラすることを一般的には言い

そして、一生懸命頑張ることを良しとしますが

実は反対に頑張り過ぎることも「怠け」となるのです。

…有名な話に「琵琶」があります。

琵琶の弦は張りが甘くベロンベロンですと、音はなりません。

しかし、ピンピンに張り詰めすぎると、弦は切れてしまいます。

ですから、緩みすぎず、張り詰めすぎない、適度な張りが、良い音を奏でるのです。

これを仏教では「中道」と言います。

「苦」と「楽」という相反する価値観、どちらにもとらわれない生き方が穏やかな心を

保つ秘訣となるのです。

ただ、中道は線で引っ張って真ん中という意味ではなく、それぞれの中道は違うのです。

その場所を我々は探し求めているのでしょう。

…サルスベリは葉が付くのが遅く、紅葉が早いことから怠けの木という異名を持っていますが

決して怠けではなく、花と、紅葉がほぼ同時進行して、晩夏と初秋を知らせてくれる

尊い存在なのです。

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