住職の日記

カモが帰ってきました

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公園の池にカモが帰ってました。

秋というかもうじき冬ですね。

というよりも、そもそもカモってなんで寒い冬に来るのかなぁと不思議に思って

調べたところ、カモは夏場はシベリアやカムチャツカ半島などの北のユーラシア大陸などに

いるらしいのですが、冬になると、湖が凍ってしまい、餌が取れないので

暖かい日本に渡ってくるそうです。

これから「寒い寒い」と我々は凍える冬が、カモにとっては暑いぐらいだそうです。

う~ん、いろんな世界があるんですねぇ、世界は広いですね。

「心頭を滅却すれば火もまた涼し」と申しますが、この場合

「心頭を滅却すれば日本の冬もまた温し」ですね。

…さて、同じ状況でも、それを受け取る側の心構えで、暑くも、寒くも

つまり、幸せにも不幸にもなるのですね。

我々は、今身を置く環境から得られる幸福よりも、自分の欲望が上回ってしまうと

不幸になってしまうのです。

で、その解決策としては、それを満たすものを得るか、欲望を減らすか、自分が動いて環境を

変えるか、の三択に思うのです。

ただ、「満たす物を得る」は、一時的には収まるかもしれませんが

人の欲望(トリシュナー)は際限を知りません。

つまり、何かを得ても、それに準じて欲望も肥大していき、

永久に満足することは無いのです。

そして、「環境を変える」でございますが、渡り鳥のようにジャーニーマンになり

環境を変えるのもひとつの手ですが、これもまた先ほどの様に

傲慢なままでは、どこ行っても満たされることが無いので、

本質に辿り着く前に、意味なく渡り歩かなければなりません。

そして、ゴールはできませんね。

ですから、足るを知るというように、まず「今でも十分」であると感じることが大切になるのです。

ですが、どうやったら、充足して足りていると知るのでしょうか?

それは、どうあっても「苦」と向き合うしかありません。

「苦」と向き合うことによって、足るを知るのです。

私事ですが、一週間ほど前、唇を怪我してしまい、二三日食事がまともにとれませんでした。

しかし、傷口が少し、よくなり、久々に口にしたお米の美味しいこと。

そして、この間抜糸をしてもらい、久々に飲んだ味噌汁の美味しいこと。

米と、味噌汁って、もちろん美味しいですが、それでだけで満足することは中々なかったのです。

普段なら「おかずがもっとほしい」となり、先ほどのトリシュナーが働き、「もっと美味しいものを、

もっと美味しいものを」と知らず知らずのうちに、肥大慢心していたのだと感じました。

人って怖いですね。

そして、皮肉にも、「怪我」という苦から気付かされました。

さらに、ちょうど怪我をしたのが、これまた皮肉にも私の誕生日前日であり、

「誕生日だから、何かごちそう食べよう!」と意気込んでいたところでの

まさかの「絶食」であり、気分は最悪でしたが

ある意味最高の気付きが得られたのではないでしょうか?

カモは冬場、凍りつく北国から避難して、しばらく冬の日本で快適に暮らします。

つまり、そうした苦を知っているから、今此処が快適になる。

ですから、我々人類は「苦難はあるもの」と思い、常に無事な今が幸せであると

忘れてはならないのです。

つまり、「無い」ことの中に我々が目指す不退の地が「有る」のです。

その心得がなければ、何を得ても、どこに行っても、満たされることは無いのです。

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そして、ウィダーインゼリーは優れものです。

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