住職の日記

また新たな命が

また新たな命が

今日は立春です。

土の中で眠っていた様々な命が動き出します。

境内の紅梅の蕾が今にも開きそうです。

春は来ているのですね。

さて、テナントってありますよね?

駅前の商店街や、ビルの下などにある、貸店舗です。

でも「あっあそこのピザ屋さん閉店したんだぁ」「あそこの薬局なくなったんだぁ」とお店がなくなること、結構ありますよね?

しかし、しばらくすると「あっあそこのテナントにマッサージ屋さんが新しくできた」「焼き鳥屋さんになった」と内装を変えて、また新たなお店が生まれます。

話は変わりますが、この春は様々な花が咲く時期であります。

ですが、今年咲く花は去年とは違う花です。

姿形は一緒でも、同じ枝についている花もそれぞれ別の命です。

わかりやすくいうと、テナントがこうした花木の「枝」で、そこのテナントのお店が「花」という具合です。

テナントという枝で一つのお店(花)が閉店し(散って)、新たなお店(花)が開店(咲く)する。

経営者も変わりますから、まったく違う命がその空き店舗に宿るのです。

私たち人間も一緒で、地球という枝に人間という花として生まれました。

花はご存知の通り、永久に咲き続ける事はなく必ず散っていきます。

こうして考えると、我々の人生は儚い世界です。

だからこそ、せっかく享受した命を一日でも長く、そして美しく咲き、めいいっぱい楽しみましょう。

「今を生きる」とはそういう事です。

春は様々な新しい命との出会いの季節です。

ツルツルだった枝にまた新しい命が宿り、我々を楽しませてくれます。

一日でも長く、美しく、咲いてください。

お別れするその日まで。

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