住職の日記

この世は忍土の世界だが…

この世は忍土の世界だが…

蘇鉄の花が咲いてます。

地蔵寺にいながら、南国気分。

さて、よくテレビドラマなどで、刑務所から出てきて「あぁ、やっぱシャバの空気はうめーなぁ」というセリフがありますよね。

この場合のシャバとは自由な世界を意味しますが、語源を辿るとサンスクリット語の「サハー」の音写で

「忍土」「忍界」などと漢訳され、「耐え忍ぶ場所」という意味であります。

つまりこの世は耐え忍ぶ世界、修行の場であるのです。

「何だぁ最悪だぁ」と思われるかもしれませんが、大丈夫です。

この世界を幸せに満ちた世界にする方法があります。

それは我々が仏になればいいのです。

仏になるというと「死ぬことか」と思われる方も多いと思いますが、そうではなく仏さんの様な穏やかな心を持つ事です。

したがって、その為には修行をしなければなりません。

辛い事、苦しい事はあって当然だと自覚し、我々はそれを耐え忍び乗り越えていくことが大切になるのです。

そうすることで、心が穏やかになりこの世を優雅生活することが出来るのです。

「あいつ嫌い、こいつ嫌い」「良い事だけ、悪いことはいらない」と分別ばかりしていると、中々穏やかになりません。

何故なら、仏さんは悟りを開いた人、それはつまり「全てを受け入れる」という事だからです。

「そんなぁ無理だよぉ」と断念しそうになりますが

弘法大師空海様のお言葉に「一切衆生は無常菩提の法器にあらざるがごとなし」とあります。

つまり、我々衆生は皆、どんなことをも受け入れる事が出来る「器」を持っていると仰られているのです。

したがって、自信を持ち、この世の苦難に立ち向かい、どんどん受け入れその先にある

幸せの世界に辿りつきましょう。

今信じられないくらい暑いですよね?

何でだ?どうしてだ?と言っても仕方ありません。

したがって、「夏は暑い」と受け止め海行ったり花火したりして楽しみましょう。

この世は忍土の世界ですが、誰も楽しんではいけないと言ってはいないのです。

したがって、この世は忍土の世界だと、その苦しみから逃げずに受け止め「転換」させる事が大切なのです。

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