住職の日記

「一言」は大きい

「一言」は大きい

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日が沈むのが本当に早くなりましたね。

それにしても綺麗ですね。

この西の遥か彼方向こうに、極楽浄土があると古来より信じられています。

つまり、この夕陽の美しさや信仰は、皮肉にもこの世が苦界であるという

証拠でもあるかもしれません。

しかし、その極楽浄土は我々の住む世界と別々に分離して存在しているわけではなく

実は我々の心に存在しているのです(もちろん地獄も)。

静かに極楽を思い、「南無阿弥陀仏」と一言、唱え往生を願えば、その念じている者の心から、

極楽の世界が広がっていき周りが浄土と化すのです。

…「一言」って大したことないと思われがちですが、この一言は実は

自他共とても大きな影響を与えるのです。

その一言で、人が傷つき、悲しみ、そして反対に幸せになるのです。

大げさに言えば、その一言で、世界も変わるのです。

家庭内においても家族に何かしてもらったら「ありがとう」と

一言発すれば、一体どれだけの人が救われるのでしょう?

町中で何か親切にしてもらい、「ありがとう」そして「どういたしまして」と

少しでも心が通ったら、どれだけの人が救われるのでしょう。

念仏は仏道修行の中でも行い易い行と位置づけられますが

その効果はとても大きなものであります。

何故なら、言葉というものが、この世界の大部分を作っているのですから。

確かに、この世は苦に満ちた世界でもあるわけですが、我々の一言で

その世界に浄土を出現させることも、持続できるかどうかは別として垣間見るぐらいは

誰にでもできるのです。

易行も継続出来たら、大変な力となります。

できないことではなく、できることを、コツコツと積み重ねて

皆で浄土に渡ることを現実のものにしたいですね。

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