小寒の氷 大寒に解ける
今日は風もなく穏やかな過ごしやすい日です。
今は暦の上では「大寒」ですがそれを感じさせない日和となりました。
さて、こうして大寒なのに、暖かくなることを「小寒の氷大寒に解る」と申しまして
小寒よりも大寒の方が寒さが厳しいはずなのに暖かいことをいいます。
物事が必ずしも順序どおりにいかない時に例えられます。
「こうしたい」「こうすべきだ」「こうあるべきだ」と我々は思うことがあるのですが
現実には思うように行かないことが多いのです。
その事を自覚しなければなりません。
お釈迦様も「一切皆苦」と仰られていて、この世は苦に満ちていると仰られています。
思い通りにならない苦しみがあるもんだと、知っておくことが穏やかに生きていく上では
大切なのです。
その自覚がなければ、満たされず、不穏な日々を送らないければなりません。
話は変わりますが、これから春になると個人的には「フキのとう」が楽しみなんですが
あれって苦いですよね。
でも、なんで美味しく頂けるのかと言うと、「苦い」とわかって食べるから食べられるのです。
ふきのとうから、甘みなどを期待して食べたら、とてもじゃないですが食べられたものじゃありません。
ゴーヤとかビールとかも同じ類ですね。
従って、人生は「思い通りにならない苦しみに満ちている」と自覚して生きていけば
その苦味の中でも楽しみや、嬉しいことを見つけることが出来て
穏やかに日々過ごしていけることが出来るのです。
仏法によって苦を取り除く事は難しいですが、軽微することが出来るのです。
得難い一生を得て、尚且つ仏法に触れやすい日本に生まれた事だけで十分に幸せなんです。