住職の日記

何かを捨てることが変化

何かを捨てる事が変化

落ち葉の季節になりました。

自然は四季とともにちゃんと姿を変えていきます。

しかし、そんな中、人は「変わること」を基本拒みます。

すべて移り変わっていく世の中で、それはとても恐ろしいことでも有るのですが

どうしても「変われない」のですね。

…それは捨てれないからです。

変えることは、何かをすることをやめるということですし

それに人との関り合いがあれば、尚更、悩み難しいところであります。

ですが、何かを捨てずに、新しい事を増すようではパンクしてしまいますし

そして「理」と「情」で悩み行き詰まっても時間はだけは流れる水の様に

サラサラと見事に過ぎていくのです。

無常の世は美しくも厳しくもあるんですね。

そして、我々がよりどころとしなければならないのは、あくまでも真理であります。

人や物も大切ですが、それが有ることによって、真理との和合を阻むようでは

どうにもなりませんので、少しでも捨てて、容量を減らすしかありません。

ただ、捨てないほうがいいものも当然あるので、気をつけなければなりません。

…そこで大切なのが「背負う」ことであります。

伝統や文化を守るのではなく、背負って次世代に運ぶのです。

仏教でもその時代時代の人々の渇望に答え、その形を変化させて

次世代へ伝えてきました。

迷いの人は伝統や形にすがり、悟りの人は背負って時代の波に乗り次世代に運ぶのです。

…この無常で生きていくためには常に謙虚でありたいですね。

その為には変わらなければ、そしてその為には捨てなければ。

そうした理性も必要ですね。

移り変わりゆく自然の中で、人は改めて非情な生き物なんだなぁと感じました。

ですが、その分更に施せばいいのです。

変化(捨てることが)できなければ、どの道、施しもできなくなりますしね。

自然に移り変わっていく自然が羨ましく思います。

いちばん上に戻る