住職の日記

のびきる前に

のびきる前に

大寒に向かっていますが花木は徐々にですが、確実に春に移ろいつつあります。

どんなに異常気象だなんだといっても、花木は命ある以上とどまることをしません。

見習いたいものです。

さて、ゴムはのびきってしまったら、もう戻れません。

もちろんゴムは伸びることが役目ですが、それが過ぎるともうゴムの役割をなくしてしまいます。

私たちも人間も一緒で、あまりにも安心したり楽をしすぎると慢心が生まれ、結果不幸を招いてしまいます。

ずっと緊張することがいいわけではありません。

ですが、程よい不便や不幸があった方が、幸せになりやすいともいえます。

以前もお話させていただいたと思いますが、上野のカモは人間の餌をもらい過ぎて太って飛べなくってしまいました。

カモとしては自分で餌を捕まえなくても、栄養ある餌をホイホイ貰える。

一見幸せそうですが、結果飛べなくなりました。

本来の姿を失ってしまったのです。

本来の姿を失うほどの不幸はないのかもしれません。

そして、そうした不幸は誰が社会がでなく、自らが招くことが多いのです。

「腹八合医者いらず」というように程よい不幸は幸せを感じやすくします。

のびきる前に気付きたいものです。

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