おもてなしは心
赤い山茶花が鮮やかです。
寒い冬に、鮮やかな赤が映えます。
さて、以前温泉旅館を経営されている社長さんの講演を聞く機会があり、大変勉強になりました。
この社長さん、今では業績は上がって来たのですが、それに至るまでは様々な失敗を重ねたそうです。
世間では岩盤浴がはやって来たので、うちも取り入れなければ!と思い1500万円もの投資をして作ったそうです。
しかし、全然お客さんは来なくて、赤字が続いたそうです。
これではいけないという事で、今一度お客さんの立場になって考えて色々と宿泊パックを考えたそうです。
そうして作られたのが「女性同士の心ゆくまでおしゃべり応援プラン」というものです。
女性の方はお分かりになると思いますが、女性同士で旅に行く際に一番の目的はというと、観光地を見学することもそうですが、何よりも一緒に行くお友達とのおしゃべりです。
ここにこの社長さんが着目し、この旅行パックの特典に体が疲れないようにクッションを用意したり、心行くまでおしゃべりしてほしいという事で、加湿器やのど飴やコーヒーなどを用意し、旅館が女性同士のおしゃべりを応援するコースを組みました。
そしたら、それに共感してくださった、女性同士のお客さんがたくさん集まるようになりました。
投資もクッションや加湿器など岩盤浴に比べると格安で、「少しの気遣いでお客さんは喜んでくださるんだ」と社長さんは大変驚かれたそうです。
こうしてわかるように、人のおもてなしはお金を投資しなくてもできるとういう事です。
相手の人がどうしたら喜ばれるのかなぁと工夫することが大切です。
つまり思いやりの心であります。
実際多大な投資をして岩盤浴を作っても、お客さんは来なかったのですから、いくら新しいものがいいものがあるだけではおもてなしにはなりにくいのですね。
女性同士で旅を考えている方からしたら、こうしたおもてなしは岩盤浴にも勝りますよね?
恋愛のことや、子育てや、昔話や積もる話も沢山あることでしょう。
それを応援してくださるのですから、ありがたいですよね。
迎える側の心使いこそ、本当の「おもてなし」ですね。